組織はどうして老化現象がおきるのか②

企業組織における老化現象の理由の続きである。

二つ目として考えられるのは、創業時に共有された創業者メンバーの熱い思いが風化してしまうということだ。創業者は、何らかの形でやりたいことがありその組織を作ったはずである。それに共鳴をした者が集まり組織が構成されていく。創業期のプロセスはだいたいこのようだと思われる。創業時にそこに参加した者は、そこで組織の目的はビジョンを共有しているために、ぶれることはない。しかし、歳月が経ちそうしたメンバーがいなくなると、次世代のメンバーは、創業期の目的やビジョンに新たな解釈を加えだすことになる。これは環境変化に対応するためには当然のこととも言える。その解釈が、構成員に刺激的に受け入れられれば、それは新しい組織の原動力となり、次の成長ステージに入っていくことができる。これがいわゆる第二の創業というものである。しかし、実際はそのようなステップに順調に入っていく会社は少ない。多くは存在意義が希薄となっていき、求心力を低下させていく。自分が属する組織が何のために存在しているかを構成員が正確に理解していなければ組織としてベクトルを一にすることはできない。徐々に組織全体としてオーソライズされない構成員個々人ごとの恣意的思惑が、局面に応じて組織の考え方が如く出現するようになり、やがては組織としての制御力を失い、下手をすると分裂に追い込まれることにもなるのである。