古い組織と新しい組織①

組織も生き物と同じように年をとっていく。永遠に生き続ける組織などはあろうはずがない。当然、古くなると病気にもかかる。老化現象も生じてくる。若いうちはちょっとした病気はするに治癒するものだが、高齢では治りが悪くなるのと一緒で、組織も古くなると時代に適合できなくなり外圧などによりダメージを受けやすくなるものである。

古い組織とはどんなものがあるだろうか。今日的にいえば我が国の官僚機構の弊害といことが叫ばれて久しいが、日本の国家官僚機構は、大久保利通が創設したものなので140年弱といった時間が経ったものだ。当然憲法も変わっているので、一貫して同じ性質のものとは言えないわけだが、それでも戦前、戦後共通するところも多々あるのは事実だろう。学校はどうだろうか。昔の藩校の流れをくむ高等学校などはあるが、これは同一組織の継続とは言い難い。学習院なども京都時代からすると相当に古いがこれもその性質が継続されているかと言えば、やはり別と捉えるべきだろう。そう考えて最も古いのはおそらく慶応義塾あたりではないか。そうすると150年程度の歴史だ。官僚組織の老朽化ということが言われるが、それよりもこちらの方が古いことになる。でもそれほどの古さを感じない。学校の歴史ということでいえば、ヨーロッパでは700〜800年という歴史のある大学があるわけで、それを考えると学校組織というのは、意外と寿命の長いものなのかもしれない。民間企業ではどうか。実は、私自身、民間の中でも最も古い企業のひとつに所属していた。次回はそのことを記すことにする。