同一労働同一賃金ガイドライン改定~企業に求められる実務対応~

令和8年における「同一労働同一賃金ガイドライン(短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止に関する指針)」の改定に伴い、企業には雇用形態による待遇差の更なる見直しと透明性の確保が求められています。

同一労働同一賃金とは、正社員(無期雇用フルタイム労働者)とパートタイマー・有期雇用労働者・派遣労働者との間において、基本給や賞与、各種手当などのあらゆる待遇について不合理な差を設けることを禁止するルールです。

今回のガイドライン改定では、これまで裁判例等で議論が蓄積されてきた手当の趣旨や支給基準の明確化に加え、基本給の設計思想や昇給の基準についての具体的な評価手法がより一層シビアに示されました。特に「業務内容や責任の程度が同じであれば、基本給や賞与の支給基準を合わせる」「住宅手当や家族手当、各種手当の支給目的を明確にし、対象者の実態に即した不合理のない設計を行う」といった点において、従来以上の精度で説明責任を果たす必要があります。

企業が十分な説明を行えない場合、労働者からの説明要求や待遇改善の求めに加え、損害賠償請求などの法的リスクを抱えることになります。一方で、待遇差の根拠を精査し、全社的な人事評価制度や賃金体系を正しく整備することは、社員のモチベーション向上や離職防止、採用力の強化という大きなメリットにつながります。

改定ガイドラインへの対応にあたっては、自社の就業規則・賃金規程の改定だけでなく、各手当の支給趣旨の整理や職務分析が不可欠です。「自社の手当制度に不合理な差がないか不安がある」「パート・有期社員の評価制度を見直したい」などでお悩みの企業様は、ぜひ当事務所へご相談ください。