業績が厳しく、どうしても人件費に手をつけざるを得ない。
企業を長く経営していれば苦しい時は必ず訪れるものです。いくら内部で上手く経営していても景況の変化など外部的要因で業績が悪化してしまうことだってあります。つまり経営能力があっても、会社再生に向けて厳しい判断が必要となる場合があるのです。そんなときリストラ=雇用調整をして、会社を再起させなければならないときが出てきます。しかし、日本の労働法制は雇用調整をしていく場合、大きな壁となります。したがって、専門家を交えての慎重な対応が必要です。
雇用調整は負のイメージを持ってやると失敗する
雇用調整は、従業員の意に反して実行をしなければならないしんどい仕事です。特に従業員数の少ない中小企業では、隅々まで顔が見えているのでひときわやりづらいのが心情です。人間だれしも人に嫌がられることはしたくないもの。でもそれをやらないとすべての従業員が路頭に迷うことになりかねない。依って、雇用調整を決してネガティブに捉えるべきではありません。むしろ、それにより少しでも多くの従業員の雇用を守るのだという信念をもつべきです。後ろめたさを感じながら行う雇用調整は、経営として隙ができ、リスクを高めることになってしまいます。なかなか難しいことかもしれませんが、前向きな意思の強さをもってことに当たる必要があります。
雇用調整は慎重に段取りを踏むこと
雇用調整といっても、いきなり「首を切る」わけではありません。そこに至るまでにいくつかの段階を経ていくことが自然でしょう。その際できれば手前、手前で的確な措置をしておき、より深刻な段階に移らないようにするのが経営の上手いかじ取りということができるでしょう。特に中小企業では後になるほどリスクとコストがかかるということを念頭に雇用調整を考えることが大切です。雇用調整はポイントを押さえながら、適切に進めていきましょう。
リストラの対応方法は「誠意」と「テクニック」の両建てで
いわゆる人をリストラするということは、相手(従業員)の尊厳を傷つけることにつながります。したがって、下手をしてしまうと、相手から訴えられたり、メンタルになられたり、最悪は自殺をされたりすることもあり得ます。そうなると、企業としては社会的信用問題となり、存続自体が危ぶまれることにもなりかねません。
だからこそこころ(誠意)ある対応で望む必要があります。ただし、闇雲に気持ちだけを相手にぶつけても、向こうが頭に血が昇った状態では聞く耳をもってくれないでしょう。
リスクを最小限にとどめるコミュニケーションのとり方には様々なテクニックがあります。法律的にどこまでは発言できるか、絶対口に出してはいけないことはなにか、心理的なハードルをさげる話し方はどのようなものか、など法律知識と心理学を駆使して対応をすることが必要です。
たとえば、退職勧奨での面談に際してのテクニックをここでひとつご紹介します。面談に際して心理的圧迫を下げることは大前提です。そのために面談者は対象者の正面ではなく、少し右斜めに座るようにします。なぜ右かというと心臓が左側にあるからです。心臓にある左側では却って圧迫感を増すといわれています。「そんな細かくてくだらないこと」と思われるかもしれませんが、こうしたことの積み重ねをすることで、リスクを下げられることは実証されています。
中小企業が雇用調整をやるということ
実際に、いざ従業員とのリストラ面談となると、どんなに経験を積まれた経営者の方でもやはり不安になるものです。従って、専門コンサルタントに依頼するのは正しい選択です。 ところで、多くの方々は、雇用調整というとアウトプレースメント(再就職支援)会社を思い浮かべられると思います。
たしかに、大手アウトプレースメント会社は雇用調整の最終段階ではコンサルテーションを提供してくれます。従って大手アウトプレースメント会社の指導を受けながら、更に再就職の斡旋も行っての雇用調整は、比較的低いリスクで取り組むことができます。しかしそのためには多額の費用がかかります。最近は大分価格が下がってきているとも聞きますが、それでも雇用調整対象労働者一人当たり70~80万円はかかるようです。また、アウトプレースメント会社はあくまでも辞めさせることが前提の対応となるので、正社員の人的リストラをする前段階での雇用調整のノウハウはあまり持ち合わせていません。原資の少ない中行わなければならない中小企業の雇用調整は、手前の段階も含めてあらゆる可能性を探ったコストカットを実施することが必要です。そういった意味からも中小企業には大手アウトプレースメント会社は不向きだといわざるを得ません。
中小企業の雇用調整は専門コンサルタントの早稲田労務経営に
中小企業で雇用調整が必要なときは、その道のコンサルタントである早稲田労務経営にお任せください。早稲田労務経営は顔が見渡せる組織でどう雇用調整を進めるべきかを、懇切丁寧にアドバイスしてまいります。具体的には、リストラ面談のスケジュールの組み方、コミュニケーション指導、面談予行演習、事後の対応方法などについて経営者の立場に立ってアドバイスして参ります。(弊所所長著「人件費適正化マニュアル」で詳述していますので、必要に応じて是非ごご参考にされて下さい。)また、必要があれば面談の同席も含めてお手伝いをしていきます。
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