合同労働組合対策

合同労働組合(ユニオン)とはどのようなものか

我が国の労働組合は基本的に企業内(企業別)労働組合と呼ばれるものですが、この企業別労働組合における組合員は、大手企業の正社員を中心としており、全労働者の中での組織率は2割にも満たず、中小企業の社員や非正規労働者は、はみ出した状態となってきました。このように、企業内労働組合には属さない未組織労働者を対象に、一定地域において企業や産業に関係なく合同して組織化する活動が昭和30年代から行われてきました。これらは、「合同労働組合」「一般労働組合」あるいは単に「ユニオン」と呼ばれており、ある意味で企業別労働組合を補う形で存在してきました。
合同労働組合にも、地域別(◎◎区一般労組等)のほかにも、テーマ別(管理職労働組合、パートタイマー労組等)などの形態もあり、また運営主体も政党(左翼)系、独立系、学生運動出身者運営のものなどいろいろなタイプがあります。
まじめな活動をしている団体もあるにはありますが、ところによっては金銭獲得が目的と思わせるような団体も多数見受けられます。組合員を守るということよりも、「会社からどれだけ金を巻き上げるか」ということが第一の目的となり、そのためには、労働組合法を盾として使い(まさに法の悪用です。)、脅迫まがいのことをしてくる不逞の輩の類のところも存在します。それらは、会社が団体交渉に応じない、あるいは交渉がこじれるなどとなった場合、不当な内容のビラ配布、取引先への苦情の申し入れ、あるいは会社前に街宣車を張り付けるなどで著しく業務を妨害するといったことも実行してきます。
このような“たちの悪い合同労組(ユニオン)”に、もしも御社の社員が加入してそこの組合員になってしまったら大変なことになります。それがたった一人でも合同労組は団体交渉を申し入れてきます。その対応には、労務担当管理者のみならず、社長も含めて多大な労力を割かなければならなくなるのです。

団体交渉を拒否すると不当労働行為となってしまう

「そんなところが来たら無視すればいいではないか」と思われるかもしれません。「あるいは、いざとなったら警察に言えばいいのではないか」という考える方もおられるでしょう。しかしながら、どんなたちの悪いところでも、「労働組合」という組織形態で団体交渉を申し入れてきたら受けざるをえないのです。
なぜなら、労働組合法第7条第2項では、「使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと」は不当労働行為であると規定しているからです。
また、団体交渉の席にはついたとして、その応対の仕方が不誠実であった場合も不当労働行為とみなされる可能性があります。不誠実な対応とは、例えば、団交の場は設けても、はなから妥結に向けての話し合いの意思がないことを表明している場合や、具体的な理由なく対案を示さず相手の要求にNOと言い続けるなどが該当します。
これら不当労働行為については労働委員会に訴えられ、それが認められると労働委員会から団交に誠実に応じることを命令として求められます。
このようなことから、合同労働組合から団体交渉を申し入れられた場合には、コンプライアンスを意識した上で、適切な対応をしていく必要が出てきます。

合同労組への対応はどうすべきか

では、そのような場合、どのように対応するべきなのでしょうか。団体交渉を含めて、合同労働組合からの接触が入った場合には、初動の取り組み方が非常に重要になります。
合同労働組合との交渉に向けては、当初の段階で経営としての方針を決め、行動や言動が決してぶれないようにしていくことが肝要です。交渉に向けては、次のことを留意点としてもっておくべきでしょう。

  • 団体交渉の申し入れに際しては、先方(合同労組)より、団体交渉申入書が送付されてくると思われます。まずはこの申入書の内容をしっかりとチェックし、要求項目を的確に把握することが大切です。
  • その合同労働組合はどのような団体かを、Web等で調べていきます。(その団体の悪質性を把握します。それにより対応方法を検討します。)
  • 交渉時は、先方が要求してきても、知識のない経営トップを臨席させることはするべきでありません。まずは人事部で対応することが基本です。
  • 申入書に対しては交渉に当たっての回答書を送付していくことになりますが、その際には、団体交渉の日時、場所、出席者などについて、先方のペースに巻き込まれず、当方の主張はしっかりとしていきます。
  • 申入書の要求項目が不透明な場合には、回答書にてその点を再確認していきます。

早稲田労務経営が的確な対応のアドバイスを致します

合同労働組合との団体交渉は、このようなことを意識して進めていくべきなのですが、交渉に際しては、労働法に関する様々な知識が必要となってきます。先方(合同労組)は交渉については百戦錬磨であり、当然、法律を知った上で、それを盾にして攻撃をしてきますので、法律に無知な状態で対応すると、足元をすくわれることになりかねません。
合同労働組合への対応は、法律知識を武器に冷静に淡々と進めていくことが基本となります。それには、当事者だけでの対応でなく、団体交渉の経験もある第三者の視点からのアドバイスは非常に有効となります。
合同労働組合の対応でお困りの会社は、是非、早稲田労務経営にご用命下さい。
早稲田労務経営は、所長が大手企業内組合幹部であったという経験上、「労働組合」というものを熟知しており、その経験に基づき、これまで合同労働組合対策のアドバイスを多数手掛けております。
対策は初動が肝心です。すぐにご連絡下さい。