組織はどうして老化現象がおきるのか③

三つ目としては、組織ルール至上主義の弊害というものが挙げられる。

どんな小さな組織でも人が複数集まれば、そこには一定の約束事:ルールが必要となる。このルールは組織を運営していくための手段として機能する。ところが、だんだんと時間が経っていき、最初にルールを作った人が世代交代でいなくなると、なぜそのルールを作ったのか、なぜ必要なのかという本来の意味合いが不明瞭となっていき、知らず知らずのうちに、ルールは手段ではなく目的と化していく。「なんでそうしなければいけないか良く分からないが、そう決まっているからやらなければいけないんだ」という具合に構成員が信じ込む。

こうなってくると組織はどんどんと官僚化、硬直化していく。自由な発想をもって組織を運営することができなくなる。Aという選択肢の方が、あきらかに効率的、効果的であるにもかかわらず、規定ではBしか選択できないとなっているので、それ以上は突っ込まずにBを選択するという現象がいたるところで発生する。これは官僚依存しつづけた自民党政治によく見られるところだ。こうしたことは官僚組織の最大の弊害というべきものである。組織の隅々まで、文書化、マニュアル化が進み、箸の上げ下ろしまで組織の指示に従うようになる。これでは構成員はがんじがらめとなり、自分からは何も考えないようになる。自立的活動能力を失い、やがては衰退の道を辿ることとなる。