委員長・書記長という言葉を聞いて、ピンとくるだろうか。
昔は、プロレタリアート系の政党は、こぞって、委員長・書記長制を採っていたので、上の年齢層の方は良く耳にしていたはずだ。今日、政党では日本共産党くらいしか使っておらず、自民党では総裁と幹事長、他の政党も、代表と幹事長と言っているところが多数である。(なお日本共産党も正しくは「書記長」ではなく「書記局長」)ただ、労働組合では今でも、ほとんどのところで、委員長・書記長制を採用している。私自身も労組活動が長かったので、身近に使っていた言葉である。
この委員長=書記長、あるいは、代表=幹事長、総長=事務局長、名称は違っているものの、組織機能上では、ほぼ同様のところのものである。端的に説明すると書記長は事務方のトップであり、委員長は「幹」となる方針決定と最終判断をする者である。政策は書記長が具体的に進めていき、委員長がそれを監督し必要に応じて補正する、そんな役割分担となる。政治の世界でいえば、総理大臣と官房長官の関係がこれだ。以前、当該コラム欄で、新撰組の組織について論じたが、新撰組の近藤勇と土方歳三は、まさにこの役割分担が該当する。
なお、企業にける社長と副社長、その他取締役などとの関係とは少し異なる。企業では、一般的にはトップ下で、領域や機能別に役割分担されるが、委員長・書記長制の場合には、書記長が全領域を統括する。ただ、企業組織でもCEOとCOOの関係がこれに近いし、たとえば社長の下で大番頭である専務取締役が全方面を取り仕切るといった経営体制を採っているなら、ほぼ同じかもしれない。
この委員長・書記長制、活用経験者として申し上げると、なかなか便利。委員長と書記長が組織の軸となり常に協議・チェックしながら、ことを進めていくことができるので、それなりに的確な意思決定が可能で、かつスピードもでる。
この体制、経営組織コンサルティングをする際に、事業部、支店や工場など、企業内ブランチ組織で、使うと有効性があり、お奨めすることがある。事業部長、支店長の下に事業管理部長といったポジションを設けて、そこで事業管理部長に大きな権限を集中して与えると、スピード感のある経営が実現できる場合がある。またキャリアパス的にも有効で、事業管理部長は常にブランチ組織のトップを意識した活動が求められるので、次期事業部長候補となっていく。私見でいえば大変合理的な人事だと考えるが、いかがだろうか。



