厳しい暑さが続く8月ですが、企業の経営者様や人事労務担当者様が警戒すべきニュースが「最低賃金」の大幅な引き上げです。先月、国から過去最大となる全国加重平均「50円」という歴史的な引き上げ目安が示されました。これを踏まえて各都道府県で新たな最低賃金額が決定し、例年通り10月1日以降から適用される見通しです。「実際に時給が上がるのは10月からだからまだ先だ」という油断は禁物です。今回のような大幅な引き上げの場合、パート・アルバイトといった時給制の従業員だけでなく、基本給が低めに設定されている若手社員など「月給制」の正社員であっても、計算すると最低賃金を下回ってしまうリスクが非常に高まっています。 月給制の従業員については、基本給や諸手当の合計額を「1ヶ月平均の所定労働時間」で割り、時給換算して新たな最低賃金を上回っているかを一人ひとり正確にシミュレーションする必要があります。その際、通勤手当(交通費)、時間外割増賃金(残業代)、皆勤手当、家族手当などは計算から除外しなければなりません。 もし下回る従業員がいる場合は、10月の給与計算に確実に間に合うよう、9月中に給与規程の改定や雇用契約書の更新、給与計算システムの単価変更といった実務作業をすべて完了させておく必要があります。 また、急激な人件費の負担増に悩む中小企業様には、設備投資等を行って事業場内の最低賃金を引き上げることで費用の一部が助成される「業務改善助成金」の活用を強くお勧めします。しかし、こうした助成金は原則として「実際に賃上げを実施する前」に計画を立てて申請する必要があるため、8月・9月の早期アクションが絶対条件となります。 自社の月給制社員が最低賃金をクリアしているか計算方法が不安な場合や、賃上げに使える助成金の申請スケジュールを詳しく知りたいなど、秋の改定に向けた実務準備でお悩みの企業様は、当事務所までご相談ください。



