宗参寺

弁天町にある曹洞宗の古刹。創立は室町時代に遡る。室町時代にこの辺りを支配していた牛込氏の菩提寺である。
宗参寺に墓所がある者のなかで最も有名なのが、山鹿素行である。高校時代に日本史を選択された人ならどこかで聞いたことのある名前だろう。山鹿素行は若いころには朱子学を学ぶが、その後これに疑問を持ち、朱子学批判者になっていく。当時朱子学は江戸幕府の体制側の象徴的学問であったので、これを批判したことで左遷を余儀なくされる。行った先が赤穂藩である。ここで、かの大石内蔵助良雄が素行の門弟となっている。その後素行は論語を後世の解釈をいれず直接実証的に研究していくという古学を開いていく。この古学の開祖として歴史に名をとどめるのである。
この宗参寺だが、江戸期の古地図を見ると相当の範囲で境内となっていた。今の境内の数倍の面積を有していたものであり、おそらく牛込エリアでは、榎町の済松寺と並んで最も大きな寺院だった。(現在でも、この一帯では相当に大きな寺院のひとつであるが)
実はこのお寺の門前に私の事務所がある。毎朝この宗参寺を通って出勤をしているので、とても親近感のあるお寺のひとつである。