サラリーマンの出世要件

サラリーマンの出世要件について、考えてみたい。
この手のものは書店の自己啓発本コーナーに沢山見受けられるところであるが、ここではあくまで本音ベースで私の考え方を申し上げる。当然、お読み頂いて異論を持たれる方もお出でになると思うが、そうお感じになった場合には、どうか打っちゃって頂きたい。
どのようなサラリーマンが出世をしていくか、出世のプロセスは人により千差万別であるだろうが、要件としては、いくつかの共通点があるように思う。まず、第一の要件は「段取り上手」ということである。段取り上手になるためには、先読みをする力や要領の良さが能力として備わっていなければならない。要領の良い段取りにより、組織は効率的に動いていく。段取りよく物事が進んでいくと周囲の者たちに安定感、安心感を与えることができる。周囲の者には、上司もいれば、部下もいる。上司は助かり、部下は信頼を持つことになる。
もう一つ、欠かせない要件は、高いコミニュケーション能力だ。組織の中で立ち回るためには、どうしても相手に理解を求めたり、説得をしてりするケースが多くなる。このようなシーンにおいて、コミュニケーションスキルが不可欠となることは容易に想像できるだろう。
以上、申し上げた「段取り上手」と「高いコミニュケーション能力」の2つは、実は、ともに ”人をマネジメントする” 際の要件そのものということが言える。つまり、出世をするためには、マネジメント能力は、やはりどうしても必要となる。
さて、この「段取り上手」と「高いコミニュケーション能力」の2つがあれば、サラリーマンは出世できるのか。これらは必要条件ではあるが、十分条件とは言えないのは、感覚的にもお分りいただけるだろう。
では、あとはどんな要件が必要か。ここでもし「べき論」で述べるとすれば、答えは「ビジョン形成力をそれを下支えする分析能力」といったことになるだろう。冒頭の自己啓発本コーナーの類書にも、そんな見解が多分多いはずだ。ただここで考えて欲しいところは、こうした能力は、優秀な経営者に求められる要件ではあるが、それが出世要件とイコールになるだろうかということだ。答えは否である。裏を返せば、卓越したビジョン形成力を持っていない経営トップは、世の中に多々存在しているのはみんさんご承知の通りだ。会社を衰退させていった経営者にはそうした能力が無かったから会社をダメにしたのだ。
ここからは本音ベースで申し上げる。出世に本当に必要な追加の要件は、「胆力」と「運」であるというのが私の見解だ。大組織の中では、どんなに正攻法で仕事を進めても、必ず嫌な思いをする機会は多々訪れる。そのときに心が折れないだけの強いストレス耐性=胆力がなければ潰されてしまう。この点は、ある意味で多少鈍感なくらいが良い。この胆力があってこそ出世のチャンスを待つことができるのである。
そしてあとは運次第。これも真実だ。懸命に優れた業績を残してきても、自分を引き上げてくれた上司が失脚すれば、そこで出世運は遠のいてしまう。これには、多くの方々も実感としてお持ちではないだろうか。
以上、私の唱えるサラリーマンの出世要件は、「段取り上手」「高いコミニュケーション能力」「胆力」「運」の4つであるというのが結論である。