今年(2024年)も師走を迎え、企業の労務担当者様は来年に向けた準備に追われる時期かと存じます。来春、2025年(令和7年)4月1日には雇用に関する様々な法改正が控えていますが、シニア層の雇用管理で見落とせないのが「高年齢雇用継続給付」の支給率見直しです。高年齢雇用継続給付は、60歳以降も働く従業員のうち、給与が60歳時点の75%未満に低下した方に対し、雇用保険から減少した賃金の一部を補填する制度です。長年シニア層の働きがいを支えてきましたが、65歳までの雇用確保が定着した社会情勢を踏まえ、来年4月より給付金の上限額(支給率)がこれまでの「最大15%」から「最大10%」へと引き下げられます。
実務上最も注意すべきは、「いつ60歳になるか」で適用ルールが異なる点です。新しい「上限10%」が適用されるのは、2025年4月1日以降に新たに60歳に達する方(1965年4月2日以降生まれ)です。したがって、2025年3月31日時点で60歳に達している方は、4月以降も引き続き従来の「上限15%」のまま給付を受けられます。社内で対象者が混在するため、「自分の給付もいきなり減るのでは」と誤認させないよう、事前の丁寧な説明が不可欠です。また企業にとっては、給付金縮小を見据え、60歳以降の基本給や手当をどう再設計するかが大きな経営課題となります。定年後もモチベーションを高く保ち、活躍できる賃金・評価制度を再構築する重要なタイミングと言えます。年明け以降、現場はさらに慌ただしくなります。「再雇用後の給与をどう設定すべきか」「従業員への説明やシミュレーションを手伝ってほしい」など、継続雇用や賃金設計に関するお悩みがありましたら、当事務所へご相談ください。



