今年も最低賃金が引き上げへ!確認すべき実務ポイント

本格的な夏(7月)を迎え、ニュース等で「最低賃金」の話題を目にする機会が増える時期となりました。毎年この時期に国で最低賃金の引き上げ目安が議論され、8月にかけて各都道府県の新しい最低賃金額が決定します。決定された新たな最低賃金は、例年「10月1日」以降に順次発効されます。

「10月からならまだ先」という油断は禁物です。給与計算システムの改修や従業員への通知等を考慮すると、遅くとも「9月中」にはすべての実務対応を完了させておく必要があります。

新しい最低賃金が発表されたら、真っ先に行うべきは全従業員の賃金チェックです。パート・アルバイト等の「時給制」の方はもちろん、見落としがちなのが「月給制」の正社員です。月給制の場合、基本給や諸手当を合計した額を「1ヶ月平均の所定労働時間」で割り、時給換算して最低賃金を上回っているかを確認しなければなりません。とくに新入社員や若手社員など、基本給が低めに設定されている層は、最低賃金法違反となるリスクがあるため早急なシミュレーションが必要です。

また時給換算する際、すべての賃金を含めて良いわけではなく、以下の賃金は計算から除外する必要があります。

・通勤手当(交通費) ・家族手当、皆勤手当 ・時間外割増賃金(残業代)、休日割増賃金、深夜割増賃金 ・賞与(ボーナス)など、臨時に支払われる賃金

「総支給額」で判断するのではなく、必ずこれらの手当を除外した「対象賃金」で計算するようご注意ください。

最低賃金の引き上げは企業の絶対的な義務であり、「計算を間違えていた」では済まされず、不足分は遡及して支払う義務が生じます。8月に新しい最低賃金が出揃ったら、9月は「最終チェックと対応手続きの月」となります。従業員の賃金が基準をクリアしているか不安な場合や、賃上げ助成金のご相談など、秋の法改正に向けたご不安がございましたら当事務所までご相談ください。