三朝庵

馬場下に三朝庵という蕎麦屋がある。ちょうど穴八幡の斜向かいに位置する。
この店の看板には「大隈家御用達」とある。大隈重信は現在の早稲田大学大隈講堂脇のところに私邸があったので、そこから歩いて2~3分程度のところである。近所であったので大隈さんもよくここを利用したらしい。そうした話を聞いても由緒あるお蕎麦屋ということが分かる 。歴史は古く江戸時代にさかのぼる。おそらく穴八幡の参拝客が主たるターゲットだったのではあるまいか。明治になり東京専門学校(早稲田大学)が開校すると学生が街に増えていき、 これが新たな客になっていったものと思う。
実は、この蕎麦屋有名なものを複数発明している。ひとつはかつ丼、そしてもう一つはカレーうどんである。こうしたものを開発したのも主たる客が学生だったからだろうことは容易に想像できる。
今日でも店は相変わらず繁盛しているようだ。なにせこの店の前の横断歩道は早稲田大学の本部キャンパスと戸山キャンパスの中間にあり、学生の往来数は尋常ではない。大変恵まれたロケーションである。ただ、大分前に店が大きなビルになってしまいちょっと情緒が薄れてしまったのが残念。